前妻との間の子どもと長年疎遠な関係であるため、再婚した妻との間の子どもに全ての遺産を相続させる旨の遺言書を作成した事例
- 2026.07.29
相談内容
相談者は、大阪府松原市内某所にお住いの80代の男性で、長男と一緒に遺言書の作成についてご相談に来られました。相談者は、現在、公営住宅にお住まいで、財産としては年金が入ってくる預金口座がある程度とのことでした。
相談者は、50年ほど前に離婚しています。前妻との間に子ども(長女)がいたそうですが、離婚してから一度もその子どもと会ったことはないそうです。その後、再婚して長男が生まれましたが、2年前に奥様が亡くなったそうです。
以上のような状況の中で相談者が亡くなった場合、その相続人は、長男と前妻との間の子のみとなります。相談者が亡くなった後、相談者の預金口座の解約払戻等の手続きを行うためには、相続人全員の同意が必要となります。その場合、長男は、一度も会ったことも無い前妻との子と遺産分割について協議をする必要があります。
長男としても、そのような手続の負担を回避したいとのお気持ちから、相談者に遺言書を作成しておいてほしいと依頼され、その意を汲んだ相談者がご相談に来られたのが本件です。
当事務所の対応方針
もし遺言書がなかった場合、長男が懸念されていたとおり、相続人となる相談者の前妻の子の協力がなければ相談者の預金口座の解約払戻等の手続きを行うことができません。連絡先すら知らないその前妻の子に対して連絡するために弁護士等に依頼するコストを考えると、事前に遺言書を作成しておくことが、残された長男の負担を回避する方法としてベストと思われます。
遺言書の内容としては、全ての財産を長男に相続させるという非常にシンプルなものとなります。相談者及び長男の各戸籍を取り寄せ、上記内容の公正証書遺言の文案を作成し、公証役場と事前にやり取りを行った上で、相談者と一緒に公証役場へ赴いて、無事に公正証書遺言作成の手続きを終えることができました。
本件に関するコメント
今回、相談者としては、それほど資産を有していないのにわざわざ遺言書を作成することに少し躊躇されるお気持ちがあったようです。遺言書と聞くと、たくさん資産をお持ちの方が作成されるイメージがあるかもしれません。しかし、資産の多寡に関わらず、残された方がスムーズに亡くなった後の処理を行うためにも遺言書は有用です。
そのため、自分はそれほど財産を持っていないからとお悩みの方でも、ご自身が亡くなった後の手続きの負担をなるべく課さないようにしたいというお気持ちを持っておられるのであれば、是非とも遺言書を作成しておかれることをお勧めいたします。















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