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相続人の住所が遠方の各地に散らばる中、遺産分割協議を早期に完了させることで、納税額をゼロにすることに成功した相続税申告の事例

2022.12.26

相談背景

依頼者は、亡くなられたお父様(被相続人)の長女でした。被相続人には、妻(依頼者の母親)と長男(依頼者の兄)、長女(依頼者)、二女(依頼者の妹)の3人の子どもがいましたが、長男はすでに亡くなっており、長男の娘(依頼者の姪)と息子(依頼者の甥)の二人が長男を代襲相続することになりました。したがって、法定相続分は、母が1/2、依頼者と妹とが各1/6、甥と姪が各1/12でした。

なお、依頼者と母親は京都在住でしたが、二女は北海道に、甥と姪は東京方面に住んでいたこともあり、依頼者は妹とは疎遠になっており、甥や姪とはほとんど面識がありませんでした。

被相続人の遺産としては、母と依頼者との3人で同居してきた京都の自宅(時価約1億円)があるほか、預貯金や有価証券(合計約4000万円)をお持ちでした。

以上のような事案について、依頼者が当事務所にお越しになり、遺産分割協議と相続税申告を依頼されました。

依頼者の希望する遺産分割方法は、母が京都の自宅を取得することとし、預貯金・有価証券については、父の世話を一番献身的に担ってきた依頼者が約2000万円を取得する、残りの約2000万円については、母が約1000万円、甥と姪とが約500万円ずつ取得する、妹は父から生前に多額の経済的を受けていたとのことで、遺産を取得しないというものでした。

対応方針

依頼者が希望されていた分割方法は、依頼者と母親に有利である一方、甥や姪、妹にとっては不利な内容であったことや、相続人の住所がバラバラに散らばっていたであったことから、遺産分割協議は難航することが予想されました。

しかしながら、遺産分割協議が長引いてしまっては、被相続人の遺産の中で大きな割合を占める京都の自宅について小規模宅地の特例が活用できず、相続人らに相続税の負担が生じてしまいます。そこで、当事務所から甥や姪、妹に対して、依頼者の希望する遺産分割協議書案とともに、早期に遺産分割協議を完了させることが相続人全員にとって大きなメリットをもたらすことを丁寧に説明する文書を郵送することにしたところ、意外なことに、甥や姪、妹から、依頼者の希望する遺産分割方法に何ら異論が出ることなく、被相続人が亡くなってからわずか半年足らずの期間に遺産分割協議がまとまるに至りました。

これにより、被相続人の相続税申告において、京都の自宅を相続した母について小規模宅地の特例を適用可能となり、遺産総額の大幅な圧縮により、各相続人の納税額をゼロとすることに成功しました。

担当弁護士の所感

本事案のように、相続人間の関係性が疎遠で、かつ、住所も各地でバラバラに散らばっている場合、遺産分割に向けた話し合い自体が困難なために、協議が難航することが多いと言えます。

本件においては、依頼者や母親が遺産の大半を取得することについて、他の相続人の納得が得られる背景事情があったからなのか、また、早期に遺産分割協議を完了させることが相続税の節税メリットにつながるという意識を共有できたのか、予想外にすんなりと解決に導くことができました。早い段階で弁護士が介入することが早期解決へとつながる、好例を示すことができたものと考えています。

 

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