事業承継につき、後継者以外の相続人の遺留分侵害が問題となるケース
(1)事案
Bは自動車部品を製造する会社を創業し、経営してきた。Bには離婚した妻との間に、長男、二男の2人の子どもがいる。Bは当初、長男を後継者にと考えてきたが、70歳になり、引退を考え始めた頃、長男と大喧嘩をし、絶縁状態となったことから、二男を後継者にすることにした。
Bの財産といえば、創業した会社の株式が大半で、あとは自宅と預貯金がいくらかある程度であったが、株式の評価額がよくわからないこともあり、認知症も進んできたため、二男の強い勧めのもと、「すべての遺産を二男に相続させる」旨の公正証書遺言を作成した。数年後、Bが亡くなったが、その際の会社の株式は1億6000万円と評価された。Bの他の遺産として、預金1000万円と自宅(時価1000万円)とがあった。
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(1)本ケースの問題点
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(1)どのような遺言書を作成すべきだったか
<遺言書サンプル例>