相続税額の計算方法は、どのようなものですか
- 2023.01.27
Q. 納付すべき相続税額の計算方法について、教えてください。
A. 各相続人や受遺者等が納付すべき相続税額は、各人の課税価格の合計金額から基礎控除額を控除した残額(課税遺産総額)を、法定相続人が法定相続分に応じて取得したと仮定して相続税の総額を計算し、その相続税の総額に、各人の課税価格が課税価格の合計金額に占める割合を乗じて計算した金額となります(相続税法16、17条)。
すなわち、まず、相続税の総額を計算するための第1段階として、課税される遺産の総額を計算します。課税される遺産の総額とは、各人の課税価格の合計金額から基礎控除額を引いた金額になります。
次に、第2段階として、上記の課税される遺産の総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したとすれば、各法定相続人の取得金額がいくらになるかを計算します。
そして、各法定相続人の取得金額に所定の税率(相続税法16条)を乗じて、いわば法定相続人ごとの仮の相続税額を計算するのが第3段階となります。
最後に、法定相続人ごとに計算された相続税額を合計した金額をもって、相続税の総額とします。
このような課税方式を法定相続分課税方式といいますが、累進課税方式を採用する我が国の相続税法においては、特定の相続人が多くの遺産を取得した場合であっても、相続人が法定相続分に応じて取得した場合であっても、相続税の総額は同額となり、遺産配分の方法によって相続税の総額に差が生じないという点が、この方式のメリットということができます。
各人の相続税額は、以上のように計算した相続税の総額に、各相続人・受遺者の課税価格の課税価格合計金額に占める割合を乗じて算出します(相続税法17条)。但し、被相続人の配偶者、父母、子、代襲相続人である孫以外の者については、この算出額に20%を加算した金額が相続税額となります(相続税法18条1項)。
そして、各人の相続税額から下記の各控除額を控除した残額が、各人が実際に納付すべき相続税額となります。