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遺留分侵害額の算定方法はどのようなものですか

2023.01.27

Q. 夫は、長男に全財産を取得させる旨の遺言書を遺して亡くなりました。相続人の私や二男の遺留分侵害額はどのようにして算定されますか。

A. 遺留分を算定するためには,夫の死亡時の財産に,贈与した財産を加え,債務を控除して算出します。このようにして算出された金額に,相続人の法定相続分と遺留分割合を乗じた額が遺留分侵害額です。

遺留分の算定の基礎となる財産の価額は,上記のように,被相続人が相続開始の時に有していた財産の価額に,贈与した財産の価額を加えた額から,債務の全額を控除した額です(民1043①)。

なお,遺留分侵害額の算定時期は,相続開始時点ですので,相続人の1人が相続開始後に,被相続人の債務を弁済していたとしても,遺留分侵害額の算定には影響を与えません(最判平8・11・26判時1592・66)。

被相続人が相続開始のときに有した財産とは,積極財産を意味し,祭祀財産については性質上算入しません。

また被相続人の財産の中に,条件付きの権利や存続期間の不確定な権利など,価格の評価が困難な権利が含まれている場合もあります。そこで,民法では,これあの権利については,家庭裁判所が選任した鑑定人の評価にしたがって,その価格を定めることとされています(民1043②)。

贈与した財産に関して,民法は,相続開始前の1年間にした贈与はすべて遺留分算定のための財産の価額に算入し,1年前の日より前にした贈与については,贈与当事者の双方が遺留分権利者に損害を与えることを知ってなした場合に限り,遺留分を算定するための財産の価額に算入されると規定しています(民1044)。

相続人に対する贈与については,相続開始前10年間に行われた婚姻若しくは養子縁組のため又は整形の資本として受けた贈与の価額に限り,遺留分の算定に算入されます(民1044③)。

なお,平成20年10月1日に施行された「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」においては,上記の民法上の遺留分の原則に対する特則が定められています。

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