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遺留分侵害額請求をした場合の課税関係は、どのようになりますか

2023.01.27

Q. 遺留分侵害額請求がなされた場合の課税関係について、教えてください。

A. 遺贈や贈与によって、特定の相続人の遺留分が侵害された場合、遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度において、遺贈、相続開始前1年間の贈与及び相続人に対する相続開始前の10年間にした婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に対して、侵害額を請求することができます(民法1044条)。

相続税の申告期限までに遺留分侵害額請求がなされ、遺留分権利者・義務者双方で遺留分につき合意が成立すれば、それを前提に、遺留分権利者・義務者双方の課税価格を算出したうえ、それぞれが相続税申告をすれば足りることになります。

しかし、実際の紛争場面においては、遺留分侵害額の確定に至るまでに相当の期間を要することがほとんどであり、相続税の申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月)までに合意にいたることは稀であるといえます。

そこで、相続税法は、国税通則法の特則として、遺留分侵害額請求を受けた遺留分義務者は、遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したことを知った日の翌日から4ヶ月以内に、更正の請求ができる旨を定めています(相続税法32条1項3号)。したがって、遺留分侵害額の意思表示がなされても、相続税の申告期限までに支払うべき金銭の額が確定しない時は、遺留分侵害額請求はないものとして各人の課税価格を計算し、期限内に申告を行えばよく(相続税基本通達11の2-4、平成12年6月23日裁決(裁決事例集59巻262頁)、その後、額が確定した後、更正の請求を行い、税額の還付を受けることができます。

ここで、相続税法32条1項3号の「遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したとき」とは、遺留分侵害額請求に係る紛争が、調停・判決等で解決した場合には、その調停成立や判決確定の時であり(昭和51年1月19日裁決(裁決事例集11巻67頁参照)、また、訴訟上の和解で解決した時は、その和解成立日と解されます(平成10年8月6日裁決(裁決事例集56巻389頁参照)。

以上のとおり、遺留分義務者は更正の請求を行い、他方において、遺留分権利者は修正申告又は期限後申告をすることができます。もっとも、期限後申告又は修正申告は義務的なものではなく、遺留分義務者と権利者間において、すでに納付した相続税について清算するという処理でも構いません。

もっとも、遺留分義務者が更正の請求をしたときは、遺留分権利者において修正申告又は期限後申告をしない場合も、税務署長は更正又は決定をすることができるとされています(相続税法35条3項)。

当事者間での清算という方法を採る時には、例えば、和解を成立させるに当たり、当事者の合意で、相続税の更正の請求や修正申告をしないこととし、税額の調整のための金額を考慮して和解金額を定めることになります。

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